常識の罠(懸賞原稿の行き先)



プロになる出発点は、とにかく出版することです。
出版して初めて売れる原稿なのか売れない原稿なのかが分かります。


出版の世界というのは「出版は水物」というのが原則なのです。
つまり、プロでも素人でも、この原稿が売れるのか売れないのかは
誰にもわからないのです。この原稿はよく書けているのか、書けて
いないのかなどといった原稿の品質はプロなら分かります。だけど、
売れるのか、売れないのかは、誰にもわからないのです。


映画の俳優とか女優というのは台本がありますので、新人でも台本
などから事前に人気の予測がつきます。ところが、TVタレントや
芸人たちはTVに出てみるとか、舞台に立ってみないと売れるのか、
売れないのかの予測がつきません。これとよく似ています。


プロとしての出発は、まず、出版することです。
出版して先輩のプロたちと並ぶことです。
ここからが、すべての始まりなのです。


その切符を手に入れようと懸賞募集に応募される方が後を絶ちま
せん。そりゃぁ、そうです。未発表原稿の募集は選ばれると出版が
約束されています。だから、出版を希望する第一歩として頑張るの
は当然です。


ところが、伝統があり有名なところは激戦区だし、・・・私の実力
ではと尻込みしてしまい、ランクを落として応募する人たちが後を
絶ちません。これが罠なのです。そういった殆どが自費出版専門の
出版社が募集する懸賞広告なのです。毎月募集しているようなところ
がありますね。こりゃぁ完璧に自費出版です。


自費出版原稿を募集する罠なのです。


それでも出版できればいいという考えが沸いてきますね。
それも罠なのです。自費出版の本はプロたちの本と同じ書店には
並びません。実力のある自費出版専門の会社は、全国の数多くの書店
と提携書店という契約を結んでいます。その書店には並びますが、
自費出版専門会社の書棚にならびますので、正規のプロの書籍とは
絶対に一緒になりません。


書店をよく観察すると判ります。
自費出版専門会社の書棚の前にはお客さんが寄り付きません。
これで売れるわけがないのです。


さらに、出版業界では自費出版専門会社を誰でも知ってます。
ですから、どこからの出版ですかと尋ね、このような会社の名前が
出ると実績とは認めません。